L-フェニルアラニン

L-フェニルアラニンは、タンパク質を構成する必須アミノ酸の一種で、芳香族アミノ酸に分類される。L-フェニルアラニンは、肝臓でL-チロシンに代謝され、カテコールアミン(ノルアドレナリンやドーパミンなど)の前駆体として知られている。必須アミノ酸は、食事から摂取しなければならない栄養成分で、肉類、魚介類、卵、および、乳製品などの様々な食品中に、タンパク質を構成する成分または遊離型アミノ酸として存在する。日本人のL-フェニルアラニンの平均摂取量は、男性3.51g/日、女性2.97g/日と報告されている(Kato et al., Jap. Soc. Nutri. Diet. 71 (2013))。近年、生理活性を目的としたサプリメントなどに用いられており、脳機能 (Birkmayer et al., J Neural Transm. 59 (1984)), 鎮痛 (Walsh et al., Arch Phys Med Rehabil. 67 (2013)), 皮膚 (Antoniou et al., Int J Dermatol. 28 (2014))などへの影響が報告されている。

L-フェニルアラニンの安全性に関する以下の報告がある。非臨床安全性試験では、ラットにL-フェニルアラニンを 0.5、1.5、および、5.0 %混餌の条件で4週間の毒性試験が実施された。本試験の結果から、L-フェニルアラニンの無毒性量は、雄で1.5 %混餌 (1,548 mg/kg/日)、雌で0.5 %混餌 (1,555 mg/kg/日)と報告(Shibui et al., Fund Toxicol Sci 1 (2014)) されている。ヒトでの安全性に関わる試験では、健康な成人男性6名にL-フェニルアラニンを3 g/日の投与量での単回投与試験が実施された。本試験の結果から、L-フェニルアラニンの3 g/日の単回投与では、有害事象は観察されないことが報告(Ueda K et al., J. the Int. Soc. Sports Nutri.14 (2017))されている。

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